2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧
1994年、有機農法への転換を志した当時から私には確信のようなものがあった。未来の農の世界ではおそらく有機農業が主課題になり、有機農家が主役になるだろうと。 1971年に日本有機農業研究会が発足し、その後ピーク時には全国で5,000名もの有機農民が研究…
農業者よりは農民の呼び名がいい。だが、そう呼ぶ人は少ない。 過去数十年で …民の言い方はずいぶん廃れてきた。その背景には、農民とか漁民の「民」の語に蔑みを感じる人がいるのかもしれない。だとしたら明らかな偏見だが、そんな偏った、歴史的な印象に染…
ジャガイモ掘り取り 農業者と、誰もが言う。 この一般名称に特に異議を唱える人はいないように見えるが、私は以前からずっと、ちょっとした違和感を覚えていた。「業者」の部分である。 実は私も人と話すとき、あるいは公にする作文では農業者の言葉を使って…
私が、化成肥料と化学合成農薬を使う慣行農法に決別し、有機農法の実践者になったのは1994年だった。 鯉淵学園農業栄養専門学校の教員だったので、農場実習や実験授業では、無農薬・有機肥料の栽培技術指導に転換した。以来30年、有機農業技術のスペシャリス…
2023年、私は69歳、しわの多いじいさんになった。 少々くたびれかけた農民のひとりだが、これまでの経験を振り返って、来し方を整理してみたいと思うようになった。頭の中のファイリングでもあるのだが、そのことで少しは誰かの役に立ちたいとも思う。 その…