2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

徒然に(11) 聞く、教わる

子どものころ、親に教わったことは多かったが、覚えていることは限られる。父親はやさしい人だったが時に厳しく訓戒を垂れることもあった。こちらが不始末したとか、不誠実だったときだから親として当然の説諭だったと、子どもにも納得できた。その訓戒の中…

この国のかたち(15) 国民の食料をどうするのだ

今日の記述は少々長くなる。私の危機感の表れだ。 食料・農業・農村基本法の改定案が3月26日、衆議院で審議入りした。この改定案は、わが国の未来を危うくしかねない危険な内容である。この法案どおりなら、国産食料の確保を完全に放棄するに等しい。座視し…

期待される農へ(1) 農業協同組合(その三、農家育成活動)

農業協同組合の現状に問題点は多々あるが、その一つが人づくり行動の弱さである。農家が激減に次ぐ激減の最中にあって、農家数の維持にさえ積極的に動いているようには見えない。生産者の減少は農産物取扱量を減らすばかりでなく、購買事業、信用事業など、…

期待される農へ(1) 農業協同組合(その二)

協同組合の存在意義が世間に伝わらなくなってきた、と前話で書いたが、それは農協職員自体の理解についても言えるかもしれない。かつての農協職員は、その多くが農家生まれの人々だった。その時代は、職員が家に戻れば農家(組合員)の家族として農協の恩恵…

期待される農へ(1) 農業協同組合(その一)

農家生まれの小せがれは、農業協同組合(農協)なくしては人並みの教育を受けられなかった。農協様様だった。農産物の販売はすべて農協頼み、売り上げは農協の口座に預け、生産用の資材だけでなく生活用品まで共同購入ができて、ほぼすべて口座引き落としで…

徒然に(10) 3月に思う

この冬は明らかに暖冬だったが、3月に入って激しい気温変化に戸惑っている。故郷は、今頃になって降雪が続いていて積雪がまだ1mもあるという。 3月はさまざまな歴史的事象、事件、事故があった月。記憶を振り返り、さらに学び直しのためにいくつか記録を掘…

農とくらしの技(8) 自然エネルギー利用の「踏み込み温床」

もうじき春分というこの季節、温暖地の農家は野菜の育苗を始める。近ごろは電熱温床が主流だが、有機農家などで伝統技術の「踏み込み温床」を作って使う例がある。農家だけでなく、家庭菜園者のなかにも自然エネルギー利用のこの技術に注目する人がいる。そ…

この国のかたち(14) 1954年

私はつい先月、70歳になった。1954年の早や生まれである。同学年の多くは1953年生まれで、有名人では北の湖、落合博満、竹下景子、松平健などがいる。ジャーナリストの金平茂紀もそうで、その姿勢に共感できる人である。1954年生まれでは松任谷由実。私が初…

徒然に(9) 「核」雑感

▶ 70年前の今日3月1日、マーシャル諸島のビキニ環礁で米国が行った水爆実験によって、静岡県のマグロ漁船第五福竜丸が被爆した。死の灰を浴びた漁船員の久保山愛吉さんが3人の愛娘を残して40歳の生涯を閉じたことは、3度目の核被爆者と呼ばれた。私が生まれ…